クエーサーの不思議

私の定常宇宙論

今日はクェーサーの話です。
定常宇宙論とクェーサーとは切り離せません。

クェーサーとはものすごく明るい天体のことで、 銀河の中心にある巨大ブラックホールに周辺のガズや天体が落ち込む時に その膨大なエネルギーで明るく輝く現象だと言われています。


ビッグバン理論では銀河までの距離をその赤方偏移の量で測定しています。 従ってこのクェーサーまでの距離を赤方偏移で測るとすべてのクェーサーが 非常に遠い距離にあるのです。近くにはクェーサーはありません。
遠くにしかないという事は宇宙の初期にだけこのクェーサーが存在したことになります。 これは非常に面白い現象でした。

ビッグバン理論にとって、遠くの宇宙、つまり宇宙の初期のころの宇宙には 若い銀河がたくさんあって手前に近づくに従って徐々に銀河の 年齢が上がっていくのが理想的な宇宙でした。 ところが現実の宇宙はそれほどはっきりとした関係がありません。 銀河団の所で書いたように遠くにも近くにもいろんな年代の銀河があります。

しかし、このクェーサーは違います。はっきりと年代で宇宙が違う事を証明しています。 これぞ、ビッグバンがあった重大な証拠だと受け止められました。


ところがこれに異を唱えた学者がいました。ホールトン・アープです。
彼は赤方偏移はクェーサー自身の現象で起きているのかもしれないと主張しました。
クェーサーは巨大なブラックホールに落ち込む物質の発熱で光っているのですから、 光っている場所はブラックホールのごく近くのはずです。 当然そこには巨大な重力があるはずです。 だからブラックホールの重力による赤方偏移ではないかと主張したのです。
もしそうであればクェーサーはもっと近くにもあることになり、 クェーサーは宇宙のあらゆる年代に存在することになります。

しかし、彼の考えは受け入れられませんでした。
そこで彼は証拠の写真を何枚も撮りました。 随伴銀河があって一方がクェーサーの銀河の写真を撮ったのです。 随伴銀河のクェーサーでない方の銀河の赤方偏移とクェーサーの方の 銀河の赤方偏移を測定するとクェーサーの方の銀河の赤方偏移がはるかに大きいのです。 随伴銀河だから両方の銀河は同じ距離にあるはずなのにです。
もちろん、たまたま、遠方にある銀河が重なってしまい随伴銀河にように 見える可能性はあります。だから彼はこのような銀河をたくさん見つけました。 たまたま偶然かさなってしまった銀河がそんなにあるでしょうか。しかも、 その写真の中にははっきりと相互作用が起きている様子が写ったものも たくさんありました。

それでも彼の仕事は無視されました。 それどころか彼はパロマー天文台での観測を拒否され職も失うことになります。

このあたりの話になると天動説を思い浮かべます。 天動説に反対するものは火炙りになったあれです。
これが科学なのだろうかと思ってしまします。


結局、現代ではクェーサーまでの距離は純粋にクェーサーが示す 赤方偏移で決めるのが正しいとされています。


クェーサーまでの正確な距離を測るのに、ブラックホールの巨大重力による 赤方偏移を考慮すべきなのかする必要がないのかは読者の判断にお任せします。



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